地域社会学習 vol.18「魯山人が愛した七本鎗」
更新日: 2017年10月11日
本日は、ゲストスピーカーとして、冨田酒造の冨田泰伸様におこしいただき、「魯山人が愛した七本鎗」についてお話をいただきました。
七本鎗は、当時の伊香郡、現在の長浜市木之本町の北国街道沿いにあり、天保年間創業というまさに時代を感じさせる酒蔵です。
湖北地区では、酒蔵が2軒、醤油が3軒、酢が2軒と、発酵の町でもあります。
七本鎗は、奥伊吹山系の雪が多く地下水が豊富な環境で、全国規模というよりは、知る人ぞ知る酒で、きちんと温度管理ができるところにしかおろさないとという徹底ぶり。
名前の由来は、賤ヶ岳の七本槍から。
今のお酒は、フルーティーな方が好まれる中、七本槍は、槍のよう鋭く、穀物の味を強調した力強いもので、アルコール度数も少し高めとか。

木之本といえば、「サラダパン」が人気で、「サラダパンに合うお酒がありませんか?」と聞かれることも。

冨田さんは、地域での小さな酒蔵として活躍するために、どのようにすればいいのかということについて、まず、顔が見える農家の作る地元の米を使い、蔵内の井戸の水を使って風土を伝える「地酒を作る」ことが大切と語る。
七本鎗のコンセプトについて、穀物の味を前面に出して行くこと。そして、想いを持った特約店にのみと卸してゆくこと。どこでも手に入るお酒にはしないこと。そして、木之本のここで作っているという土地が見えるように、風土をいかに伝えられるか、これにこだわりを持っておられました。
将来は、七本鎗の田を持ち自らが育てた米で酒造りをして、その地域の名をつけたお酒を作って、その土地を、その風土そのものを伝えてゆけるお酒を作りたいと夢を語っておられました。

地域の伝統ある産業が、これからを考えるときどのように進んでゆくべきか、とても勉強になりました。

場所 琵琶湖ホテル

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