地域社会学習Vol.6「沖島の魅力」@
更新日: 2016年8月23日
滋賀の代表的な郷土料理といえば、やっぱりふな寿司ですよね。県の無形民俗文化財にも指定されており目がない方も多いはず・・・ではその作り方というと、春に捕獲したフナを塩漬けにして一旦保管します。夏の土用の頃までに塩抜きし、炊いた飯をフナの身の中に詰めて桶の中にフナと飯を交互に敷いて重ねていきます。落とし蓋に重石を置き晩秋頃まで発酵させたら出来上がりー・・・

毎年7月初旬になるとふな寿司漬け込み体験が沖島で行われています。自ら手軽にふな寿司を作れますので、ご興味のある方はぜひお試しください。本日はそのふな寿司漬け込みの指導もされておられる「おきしま倶楽部」代表の福井和彦氏をお招きし「沖島の魅力」についてお話いただきました。

琵琶湖に浮かぶ沖島は日本にある淡水湖で唯一人が住んでいます。面積1.53㎢、周囲6.8q、主な産業は漁業です。2つの神社、2つの寺院、民宿2軒があり、その他に漁業会館、コミュニティセンター、小学校があります。因みに淡水湖に人が住む+小学校があるのは世界でここ沖島だけなので、福井氏はギネスに登録しようと試みました。しかしながら比較対象がないので却下されたそうです。残念…

島へ行くには橋が架かっていないため湖上交通となり、堀切港⇔沖島を一日12便の通船が運航しています。島には車がないと聞いていたのですが、実は運搬などに使う軽トラ2台、ゴルフカート1台があるそうです。公道でないためナンバープレートは不要とのこと。また自転車はなぜか三輪車が多いそうです。

歴史は保元・平治の乱(1156〜1159年)に遡りまして、源氏の落武者7人が住み着いて漁業を営んだのが始まりだそうです。室町時代(1392〜1491年)には、堅田衆湖族が比叡山延暦寺の攻撃によって町が焼き払われ、約2年の間沖島に避難生活されます。江戸時代中期(1773〜1780年)では、堅田衆との漁場の争いが勃発。沖島専用漁場区域内での堅田の漁民が小糸網を仕掛けたことにより争論となり、京都奉行所の裁定で沖島側が勝訴します。江戸時代中期から近年(1734〜1945年)にかけて石材業が盛んになります。石英斑岩で島が形成されており琵琶湖疎水や東海道線の鉄道工事などに石材を提供しました。その他、琵琶湖総合開発や真珠養殖のイケチョウガイなど面白いエピソードが聞けました。

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