地域社会学習Vol.8「琵琶湖ワインの歩み」A
更新日: 2016年10月25日
そして戦中の昭和19年、ワイン造りを志します。戦後久邇宮家の御料林30haの御貸下げを受けて開墾に着手しました。ブドウ栽培に最適な土壌づくりを目指し、栗東町浅柄野の広大な荒蕪地を開拓し、表土と低地を取り替える“転地返し”の大工事で理想的ともいえるブドウ園を昭和21年に完成させました。その後、幾多の苦労と研究を重ね、欧州系高級種ブドウを除草剤は一切使用せず有機肥料を使用して栽培し、新鮮な国産ブドウを原料として醸造しています。

しかしながら、次第に流行りの観光ブドウ園に方向を変えていきました。ブドウ狩りツアーを企画、バーベキューを営業するなどワイン造りから少し遠ざかってしまい、ワインの品質はあっという間に低下してしまいます。酒販からは厳しいお言葉も頂戴したそうです。「これではいけない」と我に帰った太田社長は原点に戻ろうと決意したのです。フランスで学んできた醸造技術を思い出し「良いワインは良い葡萄からできる。ワイン造りは葡萄がすべて」を信念に、ブドウ栽培に注力しました。同時に若手社員の教育も強化してこられたのです。

そんな折に2007年夏、大津市内の3ホテル(大津プリンスホテル、ロイヤルオークホテル、琵琶湖ホテル)からオリジナルワインを造らせてほしいと声が掛かりました。3ホテルのソムリエが集まって、フランス固有のカベルネ・ソーヴィニョンにマスカット・ベリーAとヤマソーヴィニョン2種の日本固有をブレンドした赤ワインが誕生しました。それが本日試飲の「MINORI」です。色が濃く、酸もしっかりとあり多様な風味が口の中に広がります。20〜30年前に飲んだ琵琶湖ワインと比べたら明らかに違いがわかりました。とても高品質なワインだと思います。ぜひ皆さまもお試しあれ・・・

太田社長は謙虚にレクチャーされましたが、琵琶湖ワインの発展はこれからです。更なるブドウの品質にこだわり、醸造の研究を重ねて日本有数のワイナリーに育てようと意気込みを感じました。我ら琵琶湖ワインが世界に認められる日がくることを願って応援したいと思います。

さて例会でのラッキーカードはもちろん琵琶湖ワインです。赤・白の多様なワインが太田社長のご好意により全員に当たりました。因みに私は「Chateau Cotes de Biwa White」をいただきラッキー!数日後のおかず魚料理に合わせ舌鼓・・・シャルドネらしい風味豊かで酸があり爽やかな辛口です。思わず幸せな心持ちと酔いに大満足でした。メンバーの皆さんは何が当たったのでしょう?それぞれに楽しんでいただければ幸いですねー

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