環境学習Vol.15「琵琶湖の生物多様性保全活動」@
更新日: 2017年4月25日
4月の誕生日、おめでとうございます。L北村は自家製のうなぎではありません??? L狩野は「組紐ネクタイ」です。いい色だと絶賛!!!

本日は環境学習でして15回を数えます。琵琶湖を取り巻く環境について、山、里山、田んぼ、河川、水辺、よし原、生物多様性・・・いろんな角度から勉強してまいりましたが、なんとなく繋がってきたような感じがしますね。遅いって・・・やっぱり

さて、農業の生産性向上を目的として実施されてきた圃場(ほじょう)整備により、田んぼと水路に段差ができてしまい、以前は田んぼ一帯を自由に行き来していた魚たちの住みかが限られてしまいました。特に、琵琶湖周辺の田んぼは、琵琶湖固有種であるニゴロブナなどの産卵場所として大切な役割を果たしていましたが、魚が湖から水路へ、水路から田んぼへ入れない状態が増したのです。

そこで県が「魚のゆりかご水田プロジェクト」を立ち上げて、琵琶湖周辺部で田んぼや排水路を魚が行き来できるようなかつての環境を取り戻すことによって、生きものと人が共生できる農業・農村の創造を目指しています。本日は「魚のゆりかご水田プロジェクト」の一助として工場の部材を有効活用した積水化学工業の環境保全活動をご紹介いただきました。講師は滋賀栗東工場 安全環境課の藤本浩司氏です。

積水化学工業の社名は、孫子の兵法より「勝者の民を戰わしむや、積水の千仞の谿に決するがごときは形なり」(満々とたたえた水が堰をやぶって千仭の谷へ流れ落ちるような勢い)から引用されたそうです。水に関わる名前ですから、自然に琵琶湖との繋がりを感じてしまいました。

会社は3つのカンパニーから構成され、@高機能プラスチックスカンパニーは粘着テープ「セロハンテープ」やごみ容器「ポリベール」の製品が有名です。A住宅カンパニーは1971年に世界初のユニット住宅「セキスイハイム」を発売。「積水ハウス」とグループ会社かと思いきや、別会社だそうです。B環境・ライフラインカンパニーはライフラインを構成する下水道用管材などの水回り関連の製品・施工サービスを提供されています。

滋賀栗東工場では「水環境ビジネス」に関わる製品を製造しており、今回ご紹介されたのは合成木材(FFU)で、ガラス繊維+ウレタン樹脂発泡体から作られ、木材と同等の要素(軽量、強度、加工法)をもち、且つ高耐久性のある製品です。用途は鉄道用まくら木、水処理場用蓋、地すべり防止用受圧板などがあり、様々な形に加工・組立が可能な優れモノです。

しかしながら、加工時に端材が発生するため、新たなエネルギーを使いリサイクル製品として活用していましたが、そのまま有効活用できないか検討していたそうです。一方東京にて環境マッチングイベントがあり、関西の事務所が参加した折に偶然「魚のゆりかご水田プロジェクト」を知ることになります。関西の事務所から情報を得てFFU端材のリユースと一致!そうして繋がってできたのが「工場の部材を有効活用した琵琶湖の生物多様性保全活動」だったのです。

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