市長ミーティングD
更新日: 2017年8月22日
報告の締めとして、セタシジミの放流の立案から準備まで手掛けたL青山からの報告です。

漁業から見た琵琶湖の固有種であるセタシジミの現状といいますと、琵琶湖における漁獲量は、昭和32年の6万6千トンをピークに減少を続け、平成27年は36トンにまで減少してしまいました。昭和35年頃から始まった総合開発によって、人工島・湖岸堤の建設、湖底の浚渫、埋立てなどの激しい開発の波につぎつぎとさらされ、琵琶湖の自然環境とそこに棲む生き物は大きく変貌してきました。

そこで、激減したセタシジミを増やせないかと、立案したのがこちら計画です。メンバーが船に乗りこんで、膳所城跡公園沖へ向かいました。この場所は、船舶がよく往来するために、スクリューが川底のヘドロを掻いて酸素が行きわたり、セタシジミが呼吸できるのです。セタシジミが入ったバケツを手に抱え、節分の豆まきのように「どうか大きく育って繁殖しますように」と一人ひとりが願いを込めて川に放ちました。メンバーの笑顔がとても印象的ですね。

もちろん一回の放流だけで効果が見込めないことは、十分に承知しております。しかし、われわれの活動に賛同してくれる同志が少しでも増え、広がっていくのであれば、まさに意図とするところであります。おかげさまで、マスコミに取り上げていただけましたし、年に一度、京滋奈のライオンズクラブが集まる大きなイベントでは、環境保全最優秀賞に選ばれました。これを機に、他クラブなどに呼びかけてまいりたいと考えております。

最後に、昔の水は生きていたのです。川は葦など水を浄化する水草が多く茂り豊富な酸素を水に供給する土台がありました。でも今はコンクリートで三面張りされています。人が水を殺しているのです。人がいじめた環境はなかなか元に戻せないのです。

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