地域社会学習 vol.20 「国宝十一面観音」
更新日: 2017年12月12日
本日の例会は、近江の仏像ディレクターで元JTB社員の山口均様にお越しいただき、地域社会学習 vol.20「国宝十一面観音」をテーマにお話をいただきました。

何故、湖北には十一面観音が多いのか?
それは、歴史上の偶然に過ぎないといえ都にも近く、多くの優れた仏師により多くの寺で造像されたのが原因という。
そして、近江は歴史の表舞台にあったということで、仏像を見ればその歴史がわかるのである。
初めて日本に移入された観音信仰のはじまりは、百済の聖明王から欽明天皇のもとへ黄金銅仏が贈られたのがきっかけで、それから、様々な信仰が広まってゆく。
観世音菩薩と十一面観音の流行は、奈良時代で、この時代は、観音信仰は、十一面観音一色といっていいほど盛んであったといい、その時代に造像されたものが多い。

湖北の十一面観音については、向源寺をはじめとする国宝が7体あり、比叡山の関係もあり平安時代初期の天台造像の代表的なものとして注目される。

何故、近江には多くの十一面観音が残っているかというと、井上靖の小説「星と祭」がきっかけとなり、さらには、向源寺や石道寺などの優れた観音像の作例から観音像が多いという認識が広がった。その後の姉川の合戦や、小谷城落城、賤ヶ岳の合戦という難の中、多くの人々は信仰によりこれら多くの仏像を護った。
湖北では、人々は仏様を護り、仏様に護られるという共栄の関係が生活そのものであり、こうしたことが原因と考えられる。

滋賀に仏像は多いのかというと、それは大変多いといえる。
特に重要文化財の仏像は、奈良、京都に続いて、日本3位です。

常に近江は歴史の大河の中にあり、歴史の舞台であり、様々な仏像が歴史の証人となっている。こういった視点から滋賀を再評価してみよう。




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