アイバンク勉強会
更新日: 2017年3月28日
本日は講師に京都府立医大、アイバンク/組織バンクコーディネーターの石垣理穂氏をお招きして「アイバンク勉強会」を開催しました。

まず、アイバンク運動とは、角膜障害のため失明の不幸に見舞われている人のために、善意による角膜提供登録者(献眼登録者)を募り、死後(心臓死後)、遺族の同意を得て角膜(眼球)の提供を受け、角膜移植手術によって開眼の機会を与える「光と愛の運動」です。角膜移植を希望する待機患者は4,000人、しかし、献眼数は2,000眼未満・・・

日本におけるアイバンク運動は、1958年(昭和33年)に「角膜移植に関する法律」が施行されたことに端を発し、これまで、献眼登録をしている人は、全国で100万人以上に及んでいますが、実際の献眼数は年間2,000眼未満で、移植件数も1,500件未満というのが今日の実態です。

アイバンクにはどなたでも献眼できます。年齢制限もありません。近眼や老眼でも角膜は移植に用いることができますし、網膜などの疾患で眼のご不自由な方でも角膜は移植に用いることができ、視力障害の方が光を取り戻すことができます。

アイバンク運動では献眼を呼びかけていますが、以下の4つの権利を尊重しています。
・献眼したい権利
・献眼したくない権利
・角膜移植したい権利
・角膜移植したくない権利

角膜移植の時間は短く20分から40分程度で完了しますので、入院することなく日帰りが可能で、アメリカではとても身近な医療となっています。また、角膜は肝臓や腎臓、心臓、骨髄とくらべて、「拒絶反応」の少ない臓器で移植の成功率は90パーセントといわれています。

ライオンズクラブでは献眼登録を行うことができます。登録されるとアイバンクから登録証が送られてきますので携帯して下さい。同時に、一人でも多くのご家族、親類の方に、その決意の程をお話し下さい。万が一の際には、ご家族は悲嘆に暮れ、なかなかアイバンクのことを思い出せないものです。ご家族からのご連絡をいただくことが、皆さまの意思を生かすには必要なのです。

最後に、1925年アメリカ・オハイオ州で開催された第9回ライオンズクラブ国際大会、ヘレンケラー女史の講演での熱いメッセージです。

「私のような不幸な人間が二度と再びこの世に現れないように、皆さまのお力によって、失明の予防と盲人の援護をお願いしたいのです。あなたのランプの灯をもう少し高く掲げてください! 見えない人々の行く手を照らすために!ライオンズよ、闇を切り開く盲人の騎士となれ」

←前 次→