環境学習Vol.16「琵琶湖の固有種とその現状」@ |
更新日:
2017年7月25日
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2010年10月、「いのちの共生と未来に」をテーマに、COP10が愛知県で開催され、「自然と共生する」世界を実現するために、生物多様性の主流化などの目標が掲げられました。生物多様性への取り組みが求められている中、滋賀県では「生物多様性しが戦略」を策定し、社会経済活動に生物多様性を組み込むことを目標に掲げています。このことは既に菊池さんのレクチャーでメンバーの皆さまもご存じのはず???思い出してくださいねー
また滋賀県が推進している「魚のゆりかご水田プロジェクト」の一助として工場の部材を有効活用した積水化学工業の環境保全活動を勉強しました。これは企業における生物多様性への取り組みを具現化した事例について学んだわけです。これも今年の4月に拝聴したばかりなので覚えているはずですが・・・
本日は、まとめとして琵琶湖の固有種を通じて多様性や現状について整理したいと思います。講師は琵琶湖博物館で学芸員をされている金尾さんです。ふつう学芸員は博物館資料の収集や展示、調査や研究など行う専門的な職をいいますが、金尾さんは「学」だけでなく「芸」も兼ね備えているとのこと。趣味は多彩で、その中でも書道を嗜まれており賞状書士張りの公務も兼ねているそうです。その陰には努力あり・・・やっぱりできる人は何をやってもできるのですね。
さて本題に入りまして、現在滋賀県には78種の魚類が生息しており、ブラックバスやワカサギ等の国内外からの外来種を除くと在来種は61種。このうち45種が琵琶湖に生息し、さらにビワコオオナマズやニゴロブナなどの16種にのぼる琵琶湖固有種が生息しています。日本で2番目に広い湖「霞ヶ浦」には固有種がいないことから、琵琶湖はまさに淡水魚の宝庫だと言えますね。
その中からのエピソード。ビワコオオナマズ(写真:上から2枚目)は25年ほど生きることが知られており、大きな個体で120〜140cmまで成長する琵琶湖で一番大きな魚です。その卵はわずか2mm、稚魚は6mmといいますからずいぶん大きくなるんですね。しかしながら成長過程は未だ謎だそうです。またワタカ(写真:上から3枚目)については、その仲間が中国に生息しているのですが、国内では琵琶湖以外は生息していないのだとか。大昔に日本が大陸と繋がっていた証拠だといいます。
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