環境学習Vol.16「琵琶湖の固有種とその現状」A
更新日: 2017年7月25日
ではなぜ琵琶湖は淡水魚の宝庫なのか?以下の通り要因について説明がありました。
@400万年、現在の位置になってからでも40万年という長い歴史を持つこと
A砂浜、岩場、内湖、ヨシ原、川、水路など琵琶湖を取り巻く水環境が多様であるため、それぞれに生息する生物も多様化した
B琵琶湖の伝統漁法は「待ち」の漁業なので余分に捕り過ぎない
・魞漁:浜から沖へ矢印のような仕掛けの定置網漁。魚がものに当たると沖へ進む習性を利用した漁法
・小糸網漁:刺し網の一種で魚が泳ぐ棚に仕掛けておく漁法。魚との駆け引きが影響し漁獲量が違う。主にビワマス、モロコ、フナなど
・梁漁:川をのぼってきた魚(主にアユ)を川岸にある仕掛けに誘導して捕る漁法
Cビワマス、ニゴロブナ(フナ寿司)などの固有種は特に美味であり食べる習慣がある。下新川神社(守山市)の春祭ではフナ寿司を包丁式の要領で切り分ける「すしきり祭」や、三輪神社(栗東市)の春祭に供されるタデ入り飯に漬けたドジョウのナレズシなど、神事においても湖魚を食べる習慣が受け継がれてきた
D雨が降れば田んぼに魚がやってくる習性や、それをつかむためのモンドリなど、くらしの中で培われてきた地域の科学があり人との関わりが深い

1970年代後半から淡水赤潮の発生を機に、合成洗剤の使用をやめて粉石けんを推進した「石けん運動」が県内全域で展開されました。現在でも琵琶湖の水環境を守るために地域の環境保全活動は多種多様に行われています。その成果もあり生き物は徐々に戻ってきたのですが、一方で生き物と人との関わりが希薄になっていると指摘します。

これからの環境保全活動に必要なことは、いかに人と生き物の関わりを持つかがポイント。今の子供たちに魚を触れさせたり、漁業そのものを見学・体験したり、捕った魚を食するなどもっと身近な体験が必要だと語られました。そうすることで生態系の大切さが分かり実態が見えてくる。次の世代に引き継ぐための何かが明らかになってくるのかも知れません。

琵琶湖の固有種を中心に専門的な視点から琵琶湖の水環境や生物多様性について見識を深めました。来年の結成55周年事業の目玉である環境保全活動を有意義な事業にするためにも大変参考になりました。でももう少し勉強が必要です・・・メンバーの皆さん、予め琵琶湖博物館へ訪れて予習しましょうね。金尾さん、その時はご教授のほど宜しくお願い申し上げます。

場所:琵琶湖ホテル「萩」
食事:ハスのなれ寿司、うろり佃煮、琵琶鱒茶碗蒸し、若鮎塩焼き、尼子酢浸し、棚田米釜飯・・・ハスのなれ寿司は初めて食べました。旨かった〜

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